SCAJ協会コーヒーマイスター
南蛮屋焙煎士 村松による味の評価
『ブルーマウンテン No.1』最大の特徴と言えば、バニラ、ナッツフレーバーに代表されるその突出した香り。焙煎、粉砕、抽出と、その都度強烈な香りに支配されます。また香味全体の見事なまでの調和されたバランスは、他の追随を許さないまさに”王者”の風格と言えるでしょう。
[ 香り ] バニラ、マカダミアナッツ、ミルクチョコレート、ジャスミン、微かにレッドアップルなど。
気品溢れる高貴な香りは、まさに王者の風格。この突出した香りは、まさに『ブルーマウンテンNo.1』の称号の証といえます。
[ 酸味 ] いやな鋭さのない、口当たりの優しい酸味。すっきりとした爽やかな感覚は、柔らかく煌めくようにふわりと広がる。全体に感じる明るい印象は、この酸が見事に表現しています。
[ 苦味 ] 柔らかくて、優しい苦味。主張しすぎない苦味は、「ブルーマウンテン」の個性ともいうべき味わい。苦味という概念を超える柔らかな感覚を感じます。
[ コク ] シルキーな舌触りのなか、柔らかくもしっかりとしたコーヒー感の中に広がる甘いコク。ミルクチョコレートを感じるその滑らかなコクが、全てのバランスを調和している。アフターテイストに広がる柔らかな甘味は、いつまでも余韻となって残ります。
味の特徴:[さわやか]洗練された酸味と滑らかなコク
焙煎度合:浅煎り
選ばれし称号『ブルーマウンテン』
『ブルーマウンテン』と呼ばれるコーヒーは、政府機関であるジャマイカ農産品規制公社(JACRA)による厳格な基準をクリアしたコーヒーのみに与えられる選ばれし称号です。
ジャマイカ国内、ブルーマウンテン山脈の標高800〜1,200mに広がる「ブルーマウンテン・エリア」。1953年ジャマイカ政府は、法律によってこのエリアと他のエリアとの間にはっきり境界線を引くと同時に、『ブルーマウンテン』の名称は、ブルーマウンテン・エリア以外で生産されたコーヒーに使用してはならないと定めました。従って、この選ばれた地区で栽培されたものだけが『ブルーマウンテン』コーヒーと呼ばれ、更に厳格な基準をクリアしたもののみが『No.1』の称号を得ることが許されます。
「ブルーマウンテン・エリア」のほとんどは険しい斜面の山岳地帯。昼夜の寒暖差が平均8℃以上にもなるため、昼間に蓄えた養分を失うことなく蓄えることが出来ることからコーヒーの良質な酸やコク、深い甘味が芳醇に形成されます。
また弱酸性の土壌、豊富な雨量、さらにカリブ海からの湿った空気が山肌にあたり発生する”ブルーマウンテンミスト”と呼ばれる深い霧がコーヒーを強い日差しから守り、乾燥を防ぎながらコーヒーの木や土壌にも適度な水分を補給するなど、まさにコーヒーの栽培には最高の条件が備わった理想的な栽培環境と言えるでしょう。