SCAJ協会コーヒーマイスター
南蛮屋焙煎士 村松による味の評価

フレンチローストでも感じる「モカフレーバー」。個性的香りを感じる中、ミルクチョコレートやドライフルールを感じる芳醇な甘みと柔らかなコクが口腔を支配します。最大の特徴は、この甘み。「
モカマタリ」のもつ個性的な酸はローストにより消え、それは芳醇な甘みとなり優しく広大に広がります。モカ・コーヒーのもつ甘みを最大限に表現した適正ローストポイントがこのフレンチローストと言えるでしょう。モカ・コーヒーのもつ甘みと柔らかなビター感を、お楽しみください。
[ 香り ] ミルクチョコレート、赤ワイン、ドライフルーツ、アーシー、スウィートスパイス、ハーブなど。フレンチローストにより、ドライフルーツのような甘味とチョコレート感がより強く感じる。個性的な香りと風味は抑えられてしまうが、ワイニーやモカフレーバーと称される個性は健在です。
[ 酸味 ] 奥に感じた熟したシトリック系フルーツの持つジューシーな酸はほぼ感じない。ストーンフルーツ系の硬い印象の酸も存在するが、これもローストにより消えている。モカマタリのもつ酸の個性は消えているが、その分甘味へと進化しそれが個性へと変貌しています。
[ 苦味 ] フレンチローストにより、甘味の増したビターが焦がしキャラメルのような感覚で柔らかく広がる。カカオやキャラメルのビターは、ローストにより強調された個性的な感覚。あくまでも脇役として支えていた苦味が、甘いコクとともに主役へと変貌し全体を柔らかく支えています。
[ コク ] ミルクチョコレートの甘いコクのなかで、完熟フルーツや赤ワイン、スパイスやハーブなどが微かに絡み合う。優しい印象のコクは、滑らかな口当たりの中でその甘みとともに複雑な感覚で混ざり合い広がっていく。ミドルから立ち上がるアタックが、複雑な味わいと絡み合い甘味とともにいつまでも余韻として残ります。
味の特徴:[こってり]濃厚なコクと苦味
焙煎度合:中深煎り
【生産国】アフリカ イエメン モカマタリ#9
【農園・標高】バニーマタル地区一帯の小農家(標高1,500m〜2,500m)
【農園所在地】バニーマタル地区 ワディ・マーラバン渓谷近郊
【品種・精製】イエメン在来種 ナチュラル精製 天日乾燥